マイナカード取得を条件に保育料・給食費無償化の差別!

その他全般

2023.4.2

 去る3月23日、岡山県備前市議会は、市長が提案した事実上の保育料、給食費、学用品費を条件付きで無償化する趣旨の条例制定を、反対討論があったものの賛成多数で可決しました。

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 これには3本の条例案が提案されていました。即ち、

  1. 保育園設置、認定こども園設置条例改正案
  2. 市立小中、保育園、認定こども園給食費管理条例制定案
  3. 市立小中、認定こども園学用品費管理条例制定案

 これらに加え、別途市民提出による「マイナンバーによる教育保育差別阻止を求める」請願が提出されました。
 請願は残念ながら不採択。

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これのみ、マイナンバー制度との関係が如実に記述されていました。
 と申しますのも、この度の条件付き無償化という意味は、同一世帯の構成員全員がマイナンバーカードを取得することを、市長が条件に設定する腹づもりが透けて見えたからです。これに先立ち、このことを対象保護者宛てに市が通知していたことから、反対署名が多数集まっています。

20230402備前市
20230402備前市
20230402備前市

 ところが、この度の条例案3本には、マイナンバーカード取得を条件に免除する規程は一切書かれていません。
 これは、保護者の反対運動に呼応して、岡山県弁護士会長が声明を発表。「マイナンバーカードによる差別」は、「法の下の平等を掲げた憲法14条違反」と明言したことが影響したとみます。
 つまり、条文にはマイナンバーのことはひとつも記述されておらず、違憲の可能性があるため、市が逃げたと推察されるのです。そこで条例案には、「但し、特に市長が認める場合は、免除できる」との免除規定を新設しています。
 では、どういう場合に市長が認めるかというと、世帯全員がマイナンバーカードを取得した場合と、今後別途規則で定めるというのです。この規則とは、議員が関与できず、市長裁量で決めることができます。ここがずるいところ・・。違法、違憲の条例は制定できませんので、条文にはマイナンバーカード差別は一切記載されていません。つまり保育料免除は条例改正、給食費や学用品費免除は条例制定で、市長裁量の但し書き条項を新設することで、市長によるマイナンバーカード差別を政策実現しようとした訳です。

 一方、保育料免除は、前市長が打ち出した施策で、平成27年度から、一部の年齢層でスタートし、年度を重ねる度に、その対象を低年齢に拡大して来た経緯があります。平成29年度から0歳児を適用して以来、令和4年度まで、全年齢層において保育料無償化となっていました。
 それを令和5年度から一旦白紙に戻し、保育料を徴収する規程に改正した上で、但し書きの免除規定を新設したという訳です。
 また、給食費の無償化は条例改正を伴わず、令和4年度から現市長が舵を切り、予算上の制度のみで行って来ました。令和5年度からは、徴収を原則としつつも、市長裁量による免除規定を創設した上で、新たに条例を制定。併せて学用品費も令和4年度からは無償化に転換し、令和5年度からは同様の免除規定を創設した上で、条例制定の運びとなったものです。

20230402備前市
20230402備前市

 結局この度の問題点は、無条件での無償化は保護者や市民の殆どが反対するはずはなく、マイナンバーカード取得、それも世帯員全員のそれを条件とすることが、思想・信条から取得しない、或いは諸事情で取得できない児童生徒に対して、差別になるということなのです。弁護士会が警告する「憲法14条法の下の平等」に違反する可能性が高いのです。これはワクチンパスポート制度に酷似しています。
 この背景には、備前市のマイナンバー交付率が政府基準の78.17%を有に超える84.12%に上昇したことで、政府のデジタル田園都市国家構想交付金の交付を市が受けようとしていることが挙げられます。政府は令和4年度2次補正予算として800億円を計上しているのです。
 しかも、自治体のマイナンバー交付率によって、地方交付税交付金を令和5年度から加算算定することを金子総務相が昨年6月に発表したことが直接の要因となっています。
 政府は一昨年9月にデジタル庁を新設スタートさせ、マイナポイント付与という人参ぶら下げ政策で、なりふり構わずマイナンバーカードを国民に取得させようと必死です。これは、デジタル監視型社会を構築し、2050年を目途に国民を身体、脳、空間、時間の制約から解放させコントロールする、ムーンショット計画実現に繋げようとする意図が見え隠れします。
 よって、マイナカード差別の先駆けとなった備前市に対し、対岸の火事では到底済まされず、市民はもとより国民は断固拒否の声を上げるべきなのです。

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