2022.12.06
去る12月2日、山口県岩国市教育委員会が守山敏晴教育長名で、全国10番目となる「学校マスク自由化」声明を発表。「今後のマスク着脱について(保護者や地域の皆様へ)」と題し、同市教育委員会ホームページの学校教育課内に文書を掲載しました。
尚、保護者への通知については、紙媒体での配布や学校のホームページに掲載するか、各学校裁量に委ねられることになっています。
尚、保護者への通知については、紙媒体での配布や学校のホームページに掲載するか、各学校裁量に委ねられることになっています。
声明文の骨子は下記3点です。
- 「心身の発達や成長」の観点から、「子どものマスク」について、お子様の思いを受け止めながら、ご家庭で話し合って下さい。
- 様々な事情により、マスクができない子ども、マスクをしない子どももいます。
- 子どもたちがマスクをすること、しないことなどで、いじめや差別につながらないよう取り組んでまいります。
この②「マスクをしない子ども」の表記が極めて重要です。これは「マスクができない子ども」が健康上の理由であるのに対し、思想・心情の理由を示唆しているからに他なりません。
実は全国初、去る4月1日に教育長名で声明発表した多摩市では、「マスクをしない子」「マスクをできない子」と表現しており、これを踏襲したことになります。
更に岩国市では①を追加し、学校は知識の習得だけの場でなく、「コミュニケーション力を育む場」と前置きした上で、「心身の発達や成長」を重視。暗にマスクがそれを阻害していることを示唆したことは、全国初の記述となりました。
因みに、学校マスク自由化の定義は下記です。
- マスクを「着用できない」のみならず「着用しない」まで記載されている。
- これらに対し、差別や偏見が生じないようにする。
- 上記内容を教育委員会若しくは教育長名で声明発表するか、全保護者宛に通知する。
岩国市教育委員会は、上記3条件を満たしており、事実上の「学校マスク自由化」となった訳です。
一方、今回の快挙の背景には、リトルレボルーション(アマンダ美帆代表)といわくに子どもの声を届ける会(藤本佳彦代表)の合同プロジェクトがあります。
ノーマスク学校生活宣言は同市内4家庭ですが、近隣市の宣言にもサポートしています。
そして去る11月14日と30日には、同市教育長を石本崇市議同席の下に訪ね、陳情書を提出していました。直接的には、これが結実した格好です。
これにより、全国における学校マスク自由化の過去の経緯は10団体となりました。
- 4月 1日 東京都 多摩市(教育長名でHP声明発表)
- 5月23日 大阪府 和泉市(教育長名でHP声明発表、全保護者に通知)
- 7月 5日 埼玉県 所沢市(教育長名でHP声明発表、全保護者に通知文書配布)
- 7月 6日 北海道 恵庭市(教育長名でHP声明発表、全保護者に通知文書配布)
- 7月20日 岐阜県 瑞穂市(全保護者に教育委員会名で通知文書配布)
- 8月29日 広島県 福山市(全保護者へ教育委員会名でメール配信、通知文書配布)
- 10月25日 神奈川県葉山町(全保護者に教育委員会名で通知文書配布)
- 10月25日 北海道 石狩市(全保護者に教育委員会名で通知文書配布)
- 11月14日 神奈川県相模原市(全保護者に教育長名で文書をリンク付け配信)
- 12月 2日 山口県 岩国市(教育長名でHP声明発表、学校裁量で保護者に通知)