ハンセン病とコロナの人権侵害は同じ構図の差別だった!

行事報告

2022.12.08

 去る12月4日(日)、千葉県船橋市において、「ハンセン病の歴史から学ぶマスク差別の現状」をテーマとした人権サミットが開催されました。

 最初に登壇したのは、松岡裕子自然共生党幹事と山田宏道同党幹事長のコンビ。「国の誤ったハンセン病対策と知識人による煽動」と題し、東京都東村山市にある「国立ハンセン病資料館」を訪れ学習した内容をリポートしました。
 これは江戸時代からある病気で、現在は、

  1. 感染力の弱いらい菌に起因
  2. 発症は僅か一部
  3. 有効な治療法で完治
  4. 回復者と接触しても感染しない
  5. 治癒後の変化は後遺症

と分かっています。
 我が国では130年前に、キリスト教や仏教者が布教の一環としてらい病(ハンセン病)患者を隔離する療養所を造りました。その後国や県が公設の療養所を建設して強制隔離し、脱出者や反抗者へのみせしめとして、監禁室に閉じ込めたのです。
 90年前我が国は、全患者の強制隔離政策「絶対隔離」を進め、一生療養所から出られない終生隔離を実施しました。つまり国策として、

  1. ハンセン病は治らない怖い病気
  2. 療養所はいい所
  3. 患者を発見したら警察や役所に連絡

と国民を煽り、堂々と差別を行って来た悲しい歴史があるのです。
 そして、療養所内で患者同士の結婚のみが認められましたが、一緒に住むことは許されず、しかも、子孫を残さないための断種手術が行われたのです。
 そして熊本療養所の1人の入所患者からの直訴する手紙が機転となり、ようやく法曹界が動きました。平成10年7月、全国約5千人の入所者中、僅か13名が原告として起ち上がり、国家賠償請求訴訟を提起したのです。その後、当時の入所者4,500人中過半数が原告に加わり、ついに平成13年5月に熊本地裁で勝訴したのです。
 その後も政府は、国民間に生まれたハンセン病に対する差別や偏見に対し、適切な啓発を行っていません。正に現在のコロナ禍においても、いたずらに新型コロナ感染症の恐怖を煽り、PCR陽性判定が出たら患者として位置付け、強制入院や自宅待機を命じるなど、差別と偏見に基づく誤った感染症対策を強引に進めています。
 ハンセン病の歴史からの教訓を、現在のコロナ差別の解消に活かすべきと結びました。

20221204人権サミット

 次に、「ノーマスク学校生活宣言」千葉県第1号となった母親の山田真帆さんと千葉県立高校で休学扱いとなっている今野ゆうひさんが登壇。自然共生党代表の谷本誠一呉市議会議員がインタビューを敢行しました。
 山田さんの場合、小学校1年生のお嬢さんが、ノーマスク故にクラスでいじめを受け、教育委員会に何度も電話で相談したものの、校長を指導するには至らなかったケースです。自然共生党事務局長の谷田智美ノーマスクサポーターが船橋市教育委員会に同席した結果、ようやく宣言できました。奇しくも同じ日に文科省からマスク警察禁止文言が入った通知「マスク着用に関するリーフレットについて(更なる周知のお願い)」が発出されていたことが功を奏し、ようやく教育委員会が重い腰を上げたのです。
 その結果、教育委員会の主幹(課長級)が校長との保護者面談に同席し、校長が過去の過ちに対する謝罪に追い込まれたのです。
 但し、マスクをしないことで、「話す時はハンカチを口に当てて」とか、読本の時は両手が塞がっているため、発声を一切させない担任からの差別行為が尾を引き、宣言後も、同級生からの「ハンカチ、ハンカチ」と言われ続ける現象がしばらく続いたのです。
 今野ゆうひさんの場合は、ノーマスクを貫いたことで授業を受けさせてもらえず、単位も取れないことから、退学になることは十分予想される立ち場に追い込まれました。高校は義務教育と違い、「我が校のルールを守れないならやめてもらっていい」と強気な態度に出て来る校長が多く、その例に漏れませんでした。山田さんの場合と同様、担任からは「マスク着用は義務」と宣告されたそうです。
 こうなったら、「このような間違った考えの学校から学ぶものは何もない」と悟ったそうです。自ら不登校を選択して、今日に至っています。
  谷本議員が、広島市立中学校でノーマスク故に不登校を選択した「ハルヒト」の様に本を書き、「第2のハルヒト」を目指すことを提案。彼女は答えて、「『第1のゆうひ』を目指します」と、力強い決意を表明しました。

20221204人権サミット
20221204人権サミット

 第2部は谷本議員が「コロナ禍における人権侵害との戦い」と題して講演。ハンセン病に係る差別の歴史を受けて、マスクを中心とする激しい差別の実態を報告しました。
 学校では小学2年生と4年生の兄弟が、ノーマスク故に2年間も授業を受けさせてもらえなかった茨城県鉾田市の例です。これも谷田ノーマスクサポーターが同市教育委員会に保護者と乗り込み、宣言を成功させました。
 また、東京都が委託する職業訓練校で、生徒がノーマスクを理由に停学処分となり、単位が不足して自動的に退学に追い込まれるケースでは、現在でも訴訟に向けて戦っています。
 福島県は、県立文化ホールでの谷本が講師を務める講演会に対し、ノーマスクを理由に、使用取り消し処分をしました。北海道浦河町では、ノーマスク母子に対し、子育て支援事業の利用拒否を現在でも続けています。
 最も多いのが、店舗によるノーマスク者の立ち入り禁止。施設管理権は人権を阻害する場合は行使できないと説きました。ドコモショップが顧客に対し入店を拒否し、本社からもノーマスク者は入店させない方針であるとの回答が来ています。
 職場でのマスク着用強要も多発しています。山口県岩国市の女性会社員は、3度も警告書を発せられ、最後は懲戒処分まで受けました。上司によるパワーハラスメントを全て録音し、命令書が証拠となることで、岩国警察署に対し、強要罪での告訴受理に逆転で持ち込みました。ところが会社が折れ、月給10割保障のテレワークを命じて来たため、告訴を断念したものの、事実上の勝利を勝ち取った事例を報告しました。
 そして、ホテルによるマスク差別です。受付カウンターやホテル内レストランで、マスク着用等をしつこく促される現状があります。
 現臨時国会に提出されている旅館業法改正案では、マスク着用を拒否した客とホテル側が押し問答となった場合、警察を呼ばれ、宿泊拒否が可能となる内容です。改正法が成立すれば、谷本議員は出張でホテルに泊まれなくなるでしょう。
 これには、谷本代表が発起人になって、反対署名活動を継続中です。
 続いて公共交通機関によるマスク着用要請です。
 先般伊豆箱根バスが、ノーマスク客を強制降車させる事件が勃発。これに対し中部運輸局は、予備車両を含む2両に対し、25日間の営業停止処分をしたのです。これは大きな希望です。
 同じ公共交通機関でも、定期航空協会では、思想・信条を理由とするノーマスク搭乗を今も認めていません。谷本代表は、実際釧路空港発羽田行きのAIRDO便で強制降機させられ、現在民事訴訟中なのです。この実態を国土交通省が黙認し、適切な行政指導を怠っているのは、行政の不作為たる憲法違反だと訴えました。
 また、スポーツジムや塾等におけるノーマスク者排除は、根強く浸透しています。これは民間企業なので始末が悪い。業界別に感染症ガイドラインをまとめさせる指導をしている経産省の各部署は、未だ沈黙を保っており、動きがありません。
 そして、最も困難を極めているのが病院でのコロナ差別なのです。
 具体的には、マスク着用且つPCRを受けないと分娩させない。それを断ると帝王切開手術するぞと脅されたケースがあります。これは医療法第1条の2第2項における患者の意向を十分に尊重、医師法第19条医師の応召義務等に違反します。ところが感染症対策が防波堤となって、保健所も厚労省も指導をしていません。
 面会にしても同様です。マスク着用は強制。加えて、ワクチンを2回以上接種していないと身内でも面会は許さない。未接種の場合は当該病院で自己負担による抗原検査を強制されているのです。これには、厚労省から「医療施設感染拡大防止面会事例」が発出され病院裁量としており、通知そのものが法律違反であると断罪しました。
 これらを打破するためには、内閣官房が新型コロナ感染症対策基本方針にて明記した「本人の意に反してマスクの着脱を無理強いすることにならないよう、丁寧に周知する」いわゆる「マスク警察禁止」文言を楯に、理論武装して戦って行く姿勢が求められている、と結論しました。

20221204人権サミット

 その後、松岡幹事がファシリテーターを務める中、谷本代表と山田幹事長による、今後の見通しや、国民のやるべきことについて語り合いました。

20221204人権サミット

 閉会後は、第2部交流会です。最初に谷本代表原作詞、松岡幹事作詞・作曲による「鈍亀のうた」を松岡幹事のピアノ伴奏で谷本代表が熱唱。これに先立ち山田幹事長が、谷本代表による三畳一間の将棋の青春での苦労が、今の活動を支えていると紹介しました。
 その後、クリスマスツリーを皮肉った「クルシマスクツリー」に対し、マスク形短冊に各々が願いを書き込み飾り付け。話に花が咲きました。

20221204人権サミット
20221204

 更には、会場を移動しての第3部となる懇親会も開催。全国初、私立学校でノーマスク学校生活宣言を成功させた母子も参加し、大変充実したひとときとなりました。

<告知>2022.12.04「人権サミット in 千葉」

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