2022.12.20
豊中市教育委員会が学務保健課として、「学校生活におけるマスク着脱について」と題した声明を市ホームページに、昨日12月19日に発表。同日、各校長宛に同様の通知を発出しました。
この内容のポイントは下記になります。
- 様々な事情により、マスクを着用しない、できない児童生徒がいる
- 児童生徒本人や保護者等の意に反してマスクの着脱を無理強いすることのないよう市立小中学校へ通知
- 児童生徒のマスク着脱が、いじめや差別につながらないよう、学校と連携しながら対応
この中で、通例の①と③に加え、②の「マスク警察禁止文言」を入れたことが秀逸。このことの併用記載は、全国初となりました。
即ちこの文言は、去る5月23日付け内閣官房発出の「新型コロナ基本的対処方針」に初めて登場しました。最新版の11月25日付けにも、この記述は継承されています。
更に、10月14日付け厚労省新型コロナ対策推進本部発出文書(更なる周知)にも引き継がれ、10月19日付け文科省健康教育・食育課発出文書「マスク着用に関するリーフレットについて」に、厚労省文書を添付し、全国教育委員会に対し、初めてこの文言、即ち「本人の意に反してマスク着脱を無理強いすることにならないよう丁寧な周知」を伝達するところとなったのです。
因みに、学校マスク自由化の定義は下記です。
- マスクを「着用できない」のみならず「着用しない」まで記載されている。
- これらに対し、差別や偏見が生じないようにする。
- 上記内容を教育委員会若しくは教育長名で声明発表するか、全保護者宛に通知する。
この度は上記3条件を満たしており、事実上の「学校マスク自由化」となった訳です。
実はこの背景には、地元の保護者が、ノーマスクサポーターや豊中市議会議員同席の下、校長に面会したり、教育委員会に要望したりしておりました。半年にも及ぶ粘り強い活動が功を奏したと言えましょう。
加えて同市では、既に1家庭がノーマスク学校生活宣言をしており、このことがご縁で、教育委員会の理解が進んだことも一要因となりました。
また豊中市議会では、明後日12月22日に、マスクの着用と黙食をテーマに議員の一般質問が予定されています。これに市教委が答弁するためにも、それに間に合わせての声明発表になったと推察しています。
これらにより、全国における学校マスク自由化の過去の実績は、下記14団体、大阪府では2番目となりました。
- 4月 1日 東京都 多摩市(教育長名でHP声明発表)
- 5月23日 大阪府 和泉市(教育長名でHP声明発表、全保護者に通知)
- 6月10日 茨城県 つくばみらい市(教育長名で校長宛通知→全保護者に文書配布)
- 7月 5日 埼玉県 所沢市(教育長名でHP声明発表、全保護者に通知文書配布)
- 7月 6日 北海道 恵庭市(教育長名でHP声明発表、全保護者に通知文書配布)
- 7月20日 岐阜県 瑞穂市(全保護者に教育委員会名で通知文書配布)
- 8月29日 広島県 福山市(全保護者へ教育委員会名でメール配信、通知文書配布)
- 10月25日 神奈川県葉山町(全保護者に教育委員会名で通知文書配布)
- 10月25日 北海道 石狩市(全保護者に教育委員会名で通知文書配布)
- 11月 8日 京都府 亀岡市(教育長名で校長宛通知、市HP、facebook、LINEで声明)
- 11月14日 神奈川県相模原市(全保護者に教育長名で文書をリンク付け配信)
- 12月 2日 山口県 岩国市(教育長名でHP声明発表、学校裁量で保護者に通知)
- 12月 5日 福岡県 福津市(教育長名でHP声明発表、学校裁量で保護者に通知)
- 12月19日 大阪府 豊中市(教育委員会課名で市HP声明発表、校長に通知)