2022.12.13
全国に広がりつつある、学校マスク自由化の動き。去る6月10日には、茨城県つくばみらい市が各校長宛に、当時の福田敏教育長名で、事実上のマスク自由化と言える「マスク着用の考え方について」を事務連絡。それを受け各校長が教育長との連名による同様の文書を全保護者宛に通知しました。
この内容は全国初の学校マスク自由化を表明した東京都多摩市、2番目に表明した大阪府和泉市と同様の表現、即ち「マスクを着用しない児童生徒」「着用できない児童生徒」に対し理解を求めつつ、「マスクを着用すること」「着用しないことで、いじめや差別に繋がらない」と明記しました。全国3番目となっていたことが判明した格好です。
にも関わらず、その後9月5日には、「マスク差別を禁止する条例の制定に関する陳情」が議長宛に提出され、11月7日の教育民生委員会、11月13日の本会議で採決が行われ、結果は回付となりました。この「回付」というのは、反賛を確定せず、継続審査にも持ち込まず、議会と執行部に内容を周知させるという意味で、珍しい手法と言えましょう。
次に、京都府亀岡市です。去る11月8日には、神先宏彰教育長名で、教育委員会ホームページに「場面に応じたマスクの適切な着脱について」と、メッセージを発信。同時に市ホームページ、市facebook、市LINEにもアップしました。
内容は、「マスクをする・しないことには理解し合い、差別やいじめにつながらないよう」「お子様の思いを受け止める」「マスクをつけていること・つけていないことで差別することのないよう」と記述。マスク着用の有無での差別を、再度に亘って注意喚起しています。
この結果、全国で10番目の学校マスク自由化となっていました。
因みに、学校マスク自由化の定義は下記です。
- マスクを「着用できない」のみならず「着用しない」まで記載されている。
- これらに対し、差別や偏見が生じないようにする。
- 上記内容を教育委員会若しくは教育長名で声明発表するか、全保護者宛に通知する。
この度の両市は上記3条件を満たしており、事実上の「学校マスク自由化」となった訳です。
これらにより、全国における学校マスク自由化の過去の経緯は12団体となりました。
- 4月 1日 東京都 多摩市(教育長名でHP声明発表)
- 5月23日 大阪府 和泉市(教育長名でHP声明発表、全保護者に通知)
- 6月10日 茨城県 つくばみらい市(教育長名で校長宛通知→全保護者に文書配布)
- 7月 5日 埼玉県 所沢市(教育長名でHP声明発表、全保護者に通知文書配布)
- 7月 6日 北海道 恵庭市(教育長名でHP声明発表、全保護者に通知文書配布)
- 7月20日 岐阜県 瑞穂市(全保護者に教育委員会名で通知文書配布)
- 8月29日 広島県 福山市(全保護者へ教育委員会名でメール配信、通知文書配布)
- 10月25日 神奈川県葉山町(全保護者に教育委員会名で通知文書配布)
- 10月25日 北海道 石狩市(全保護者に教育委員会名で通知文書配布)
- 11月 8日 京都府 亀岡市(教育長名で校長宛通知、市HP、facebook、LINEで声明)
- 11月14日 神奈川県相模原市(全保護者に教育長名で文書をリンク付け配信)
- 12月 2日 山口県 岩国市(教育長名でHP声明発表、学校裁量で保護者に通知)