2022.12.17
これは店舗側が施設管理権を主張して、店舗利用に条件を付け、事実上のマスク着用を強要している訳です。それに対し警察官を呼んで、刑法第223条の強要罪で訴えようとしても、逆に警察官から「ノーマスクで入店するなら不法侵入罪になりますよ」と言われ、入店を断念せざるを得ない状況が現実の姿です。
そこで、施設管理権と人権をテーマに考察して参ります。
先ず、施設管理権や所有権を主張する場合は、そこが公共性を有しているか否かが判断基準になろうかと思います。例えば、個人邸宅だったら、あなたは歓迎したくないといって、それを強引に突破すれば、不法侵入罪(刑法第130条)に問われるでしょう。
「施設管理権」とは、民法第206条の所有権から導かれる権利のことと思われます。即ち「所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。」と記述されており、この上位にある節では「所有権の限界」とタイトルが付されています。
つまり、所有権は絶対ではなく、あくまでも「法令の制限内」において主張できることになります。
一方、営業店舗等は営業の許可(飲食店だと保健所の許可)がいります。勿論出店許可不要な飲食以外の店舗もありますが、少なくとも営業する訳ですから、何人も自由に出入り下さいという暗黙の了解の下で営業店舗を構えているのです。ですからあなたは肌の色が黒いから店への出入りを禁止します。LGBTだから入れさせませんということはできなはずなのです。服装が気にくわないからも当然できません。公序良俗を乱す場合は別ですが・・・。
そこで、マスク非着用者を排除できるかに戻りますが、人権教育啓発推進法第1条では、人種や門戸、障害の有無等で差別してはならないとしています。この中には信条も入っているのです。マスクを着けるか着けないかは、個人の考え方、即ち信条の違いなのです。これらは憲法の基本的人権条項から来ています。「あなたはマスクを着けていないから、店舗には入れさせない。これは我が店舗のルールである」というのは、同法違反であり、憲法違反ですから、本来あってはならないことです。
つまり、憲法違反、法律違反のルールは無効となります。根拠は憲法の最高法規を規定している第98条です。
感染症が蔓延するリスクがあるから、これは正義だと言われる方がおられます。ところが、感染症法第4条を見ますと、「国民の責務」として、「正しい知識を持ち、感染症対策に注意を払うよう努めなければならない」と努力義務としつつ、「人権が損なわれてはならない」と義務規定が課せられています。これは憲法の人権条項から来るもので、感染症対策より人権擁護が上位であるとしているのです。
同様に、新型インフルエンザ等対策特措法においても、第5条に「基本的人権の尊重」が掲げられており、「感染症対策においての人権抑制は最小限に止めなければならない」との義務規程があります。同法第13条第2項には、患者等(患者以外の全ての国民を含むと解せられます)に対し不当な差別を禁じています。つまり、マスク非着用者に対し、出入り禁止等の差別は行ってはならないのです。
戻って、感染症法第4条の「正しい知識」とは、マスクが新型コロナウイルス感染症の予防効果があるというエビデンスが不存在という知識を有するということです。政府は、そのような公的文書を保有していないと、公文書回答しているのです。世界にはマスクにおける対感染症有用証明論文は皆無であって、寧ろ弊害論文は溢れています。
このようなことを総合しますと、店舗代表が施設管理権を行使して、「我が店のルールだから、入らせない」ということはできないのです。
これに対し、「ノーマスクで入店したいのなら、それが許される店に行けばいいではないか」と、店舗側を擁護する意見があるのも事実です。それは一部の側面しか捉えてなく、
- 自身の欲しい品がここしかない
- その品の安売りがある
- 他の店舗は自宅から距離が遠い
- 店のルールが違法なので、それを糺したい
等様々な理由から、その店舗に固執するケースだってあるでしょう。店舗の選択権は利用者にあるのですから・・・。
しかも航空機などは、その便を逃すと、大幅にスケジュールを狂わされ不利益を被りますし、定期航空協会が統一ルールを作ってノーマスク者を排除していますから、この場合は④の理由もあるでしょう。
ところが、政府はマスク着用を推奨し、コロナがあたかも蔓延していると煽り、ワクチン接種に誘導することが目的ですので、上記の正論を敢えて封殺し、マスク差別が白昼堂々を行われていることを黙認し続けているのです。
しかも弁護士に相談しても、法務局の人権擁護相談に行っても、警察や検察に強要罪で刑事告訴しても、皆コロナ脳なので上記のことが解らず、相手にされないのです。おまけにコロナ禍になって、このような事例の判例がこれまで皆無でした。
それが、先般令和4年12月5日、ノーマスク者を排除した側が敗訴する、歴史的判決がなされたのです。摂津市内のマンションの管理人が、管理会社の指示に従わずノーマスクを貫いたことで解雇されましたが、「不当解雇で違法」との判決が下ったのです。これはマスク被差別者が勝訴した初の判例となりました。
また伊豆箱根バスが、ノーマスク者を強引に降ろしたことで、道路運送法違反で中部運輸局から去る9月1日、2両車両の25日間営業停止の行政処分を食らったことが希望となっています。
谷本誠一呉市議会議員が訴訟提起している航空機の問題は、未だに定期航空協会が思想・信条の理由によるノーマスク搭乗を認めていないことに対し、国土交通省が一切行政指導せず、容認しているのです。これは行政の不作為、即ち憲法違反となります。
結論として、感染症対策協力や施設管理権より人権尊重が上位ということになります。