2023.10.10
第1部は一般会計です。最も多いのは社会保障費、続いて利払いを含む借金返済を意味する国債費です。
今年度予算は、過去最大の114兆3,800万円。特に、防衛費を今年度からの5ヶ年計画で1.5倍に増額するため、防衛力強化資金を新たに設置し、合計10兆円を超えました。GDP費の2%に達しています。
本来なら、財政法第4条第1項により、国の財政は税収で賄う必要がありますが、しかしそれは6割そこそこで、不足分は国債を発行しています。内、建設国債はまだ例外で認められるにしても、赤字国債は発行が禁止されているのです。
それを毎年度、1年限りの特例公債法を制定して、赤字国債を発行し続けるのは、財政法違反の疑いが濃いと指弾しました。
そして、税収の最も多いのは消費税です。続いて所得税、法人税と続きます。
1989年度から初めて消費税を導入。その後着実に税率を上げて来ました。社会保障の財源というのは名ばかりで、国債償還の財源となっているばかりか、増税とほぼ同額分を金持ちに対する所得税と法人税減税に充当されて来ました。
これでは貧富の格差は広がるばかりで中間層が減り、国民負担率は上がるばかりです。本来、景気の足を引っ張る消費税は不要だとして、MMT(現代貨幣理論)により、発行後の国債を事実上日本銀行が買い取る形となれば、財政破綻はないと言えましょう。
後はハイパーインフレを招かないよう、政府と日銀が連携を密にすることです。
第2部は特別会計。これは非常に解り難くなっており、年々増額され、今年度は441兆円9,000億円です。但し、国債の借り換えや特別会計間のやり取りの重複分を差し引けば、実質の純計額197兆3,000億円といいます。
実は、この重複分の87兆円が非常に不明朗な部分で、ここを追求するべきと分析しました。
純計額の中には、国債償還費や地方交付税交付金の他に、最も大きいのが社会保障給付費です。そして財政投融資の資金として国債発行後の繰入が12兆円です。
財政投融資は、以前は国民から集めた郵便貯金、簡易保険料、国民・厚生年金保険料を主な財源としていました。ところが2001年に、これらを運用する財務省資金運用部が廃止され、代わりに財投債を発行するようになりました。
どのみちこれまで同様、融資先として34の特殊法人に金が流れ、その下にある約3,000ものファミリー企業に、実質的な随意契約で金が回るのです。特殊法人改革は過去ありましたが、株を一部放出し株式会社化しても、特殊会社として、過去の位置付けとほぼ変わりません。これらはファミリー企業を含め、国家官僚の天下り先となっています。
この辺りが突っ込みどころです。但し、ファミリー企業となれば完全に民間会社なので、会計検査院の監査が届かないのが難点です。
第3部は、その特別会計の闇を暴こうとした矢先、2002年10月に自宅前で刺殺された当時民主党の石井紘基代議士の事件です。
殺害はプロの犯行で、翌日自首。犯人の右翼活動家・伊藤白水は、犯行の動機を偽り、解明されないまま2005年5月の最高裁で無期懲役の判決を受け、現在も服役中です。
犯行現場からは、当時石井代議士が持って離さなかった黒い鞄が残されており、中身が消えて無くなっていました。これは3日後に国会質疑する際の重要な資料だった可能性が高く、これを収奪することが目的でしょう。伊藤は、「資料の存在は知らない」と否定し続けています。
ところが伊藤受刑者は、長年文通を続けて来たテレビ朝日の大野公ニ記者に面会の場で、重要な証言をしたというのです。「犯行を頼まれた」・・・。予想通りこれは組織的犯行であって、伊藤はその手先にしか過ぎず、黒幕は他にいることはほぼ間違いありません。
石井代議士が特別会計を追求していれば、国家がひっくり返るような大激震が走ったはずで、この暴露を恐れ、闇の組織が潰したと言えましょう。
民主党は石井代議士殺害後、江田五月代議士を委員長とする究明委員会を発足。故人の遺志を引き継ぎ、残された63箱の資料解明に取り組むと公言しました。しかし、事件から21年経った現在に至っても、一歩も解明されておりません。
谷本講師は、
- 特別会計の不明朗は、重複分の87兆円の中身を追求するべき
- 新証言を以て、再審請求を関係者が起こすべき
と訴えました。
最後は質疑応答です。
主催者であり、会場を提供した「自然食cafe&berゆらり~夢楽輪」の武谷智子オーナーが、経営者の立ち場から、消費税や法人税に加え、インボイス制度について、突っ込んだ質問をされました。
谷本講師は、
- 消費税は段階的にフェードアウトすべき
- インボイス制度は導入撤回を求めるべき
と自然共生党の立ち場から明確に回答しました。