マスク訴訟!司法は世論を忖度し結論在りきの不公正審理

行事報告

2023.10.5

 去る10月1日、広島市内で『マスク狂想曲』出版記念講演会がありました。これは先の横浜で行われた講演会の第2弾です。2020年9月に、「マスパセ」こと奥野淳也氏が、釧路発関西空港行きのピーチ航空にノーマスクで搭乗した際、新潟空港に緊急着陸し、強制降機。事件の内容を『マスク狂想曲』として世に問うたことを記念しました。

 実行委員長は武谷智子女史。彼女は奥野氏が逮捕されて以降に知り合った女性とのコロナ結婚式に参列しており、奥野氏との自らの出会いを、主催者として挨拶の中に盛り込みました。

 最初に、谷本誠一自然共生党代表が友情講演。同氏も昨年2月に釧路発羽田行きAIRDO便で、出航直前にノーマスクを起因として強制降機させられています。この時は、反ジャーナリストの高橋清隆氏も同伴しており、揃って降ろされた訳です。
  谷本代表は、強制降機のポイントとして、先ずノーマスク搭乗契約が成立していたことを挙げました。これは受付嬢では決定権がないため、旅客事務所の上席に判断を仰いでいた訳です。
 ところが、搭乗後すぐにCAがマスク着用を事実上の強要。このやり取りを繰り返す中で、釧路空港の警察官がAIRDOの要請を受け介入。機長命令書を取り付けましたが、内容は降機命令ではなく、反復継続中止命令だったのです。警官はそれを降機命令と偽装し、従わないと公務執行妨害で逮捕される恐れがあったため、谷本氏らは自主的に降機しました。
 これは、選択肢がなかったため、事実上の強制降機と言えます。実際、高橋氏が後日AIRDO社に公開質問状を送ったところ、草野晋社長名で、AIRDO運送約款に基づく降機命令であったと回答が来ました。これは裁判で、「降機命令ではなかった」とする代理人弁護士の主張と食い違う訳です。
 しかも同社長は、「命令書交付は、機長ではなく基地長代行が判断した」と回答。つまり、基地長代行の意志でノーマスク搭乗を認め、且つ強制降機させたことで、自作自演だった可能性が高いのです。つまり、ノーマスク搭乗者への見せしめです。
 そして、去る8月29日には、3回の口頭弁論を経て不当判決が下されました。これは、命令の取り消し等は却下、1円の損害賠償請求は棄却という冷徹なものでした。第3回口頭弁論では、原告が要請した証人尋問や証拠採用要請を一蹴していました。つまり、悉く内容を検証することを裁判所が拒否したことになります。
 司法は行政・政府寄りであって、政府を忖度する判決文を書いたのです。三権分立は偽りであったことが、白日の下に晒された瞬間でした。
 谷本代表は即日控訴を表明し、去る9月9日に桜井康統弁護士を代理人として控訴しました。同弁護士自身も、昨年11月にJALの子会社便の屋久島発伊丹行きに搭乗した際、ノーマスクを理由に強制降機させられています。
 9月9日に控訴した今後の訴訟に臨む建て付けは、AIRDOへの損害賠償請求に絞り、民法第715条の使用者責任を追及することになります。

 さて、この日の主役は奥野淳也氏。タイトルは「『マスク狂想曲』出版秘話」です。
 彼は新潟に緊急着陸した際は、警察に逮捕されませんでした。それが後日ピーチ航空が刑事告訴し、4ヶ月後に自宅で逮捕されたのです。
 その理由はこうです。運航時に、CAが谷本氏と同じ反復継続中止命令書を手渡した際、それを奥野氏がシートポケットにくしゃくしゃにして入れました。それを取り出そうとしたCAが奥野氏に腕を捻られたというのです。医師の診断書を証拠提出していますが、それは簡単に書いてもらうことができますので、信用できません。
 目撃証言は、乗客ではなく、同僚のCA一人しかおらず、会社を守る立ち場から、これも信用できません。かと言って、乗客が撮影した動画には暴行のシーンは皆無でした。そればかりか、フライトレコーダーの開示を弁護士が請求しても、ピーチ航空はそれを消去したという信じられない対応。検察側の証拠収集リストからも外されていたのです。
 当時の機長や副機長は、どちらも外国人。しかも、LCC(格安航空会社)という安価な航空便だけあって、CAの英語能力も堪能ではなかったようです。では、機長はCAからどのような情報を把握し、命令を下したのかを追求しようとしても、証人台にはついに現れなかったのです。
 加えて奥野氏は、ペンと紙をCAから借りて不服申立文書を作成中でした。当然シートテーブルを引き出して、それを利用することになります。つまり、それが邪魔してシートポケットにCAが手を突っ込むことすら不可能の状況でした。裁判では、その実演も行われなかったということです。
 結局、証拠を採用したり、実演すれば、被告たる奥野氏が有利になるため、それを裁判長が悉く却下したのは、谷本氏の裁判と同様の手口と言えましょう。
 刑事事件での立証責任は検察側にありますが、それを裁判長は甘くみて、公正なジャッジをしなかったと言えましょう。東大法学部卒業の奥野氏は、日本の司法は、世論の空気や政府を忖度し、結論在りきで審理を進めており、最低レベルだと断罪しました。
 結果は2年間の懲役、執行猶予4年との不当判決が下されました。現在、谷本氏と同様控訴審のステージに移っています。弁護人が提出する弁号証や再現実験を要請して行くとしています。

 第3部は、奥野氏、谷本氏への質疑応答です。
 谷本氏へは、国政へ向けて、特に何を訴えて行くのかとの質問に回答。コロナの茶番が明らかにされ、現政権が吹っ飛び、マスクやワクチンを推進した野党も政権を担う資格がないと断言。その時が到来するまで、充電しつつ啓発活動を続けて行くとし、焦眉の急は、憲法改正阻止とWHOによる国際保健規則が可決された場合の受け皿として、WCH(世界保健協議会)日本支部との連携だとしました。
 奥野氏への鋭い質問としては、大手の徳間書店が出版を引き受けた経緯と、谷本氏が同様に出版する場合に渡りを付けてもらえるか、というのが目を引きました。
 彼は、知人を通じて偶然に話が舞い込んで来て進んだこと、この度の出版により、編集部が会社から肩身の狭い立ち場に立たされているため、谷本出版の話はかなり難しいのではないかと回答しました。


 その後、武谷実行委員長が経営する「自然食Cafeゆらり~夢楽輪」に席を移し、懇親会。奥野氏に対し、明治学院大学講師を逮捕によってクビになり、その後の収入はどうしているのかとの突っ込んだ質問も飛び出しました。話に華が咲き、3時間半があっという間に過ぎ去りました。

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